こんにちは、心臓リハビリテーション室の赤阪です。
当院の心臓リハビリテーションではリハビリを実施されている患者様に対して、健康のための情報やトピックスをホワイトボードを利用しお伝えしています。
今回は心リハ通信16号を紹介したいと思います。
心不全のサインはご存知ですか?
昨今、心不全の患者数は増加傾向にあります。しかも今後もさらに増加の一途をたどると言われ、身近な病気となりつつあるため他人事ではなくなってきます。
「心不全」とは一般向けの定義として「心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気」とされています。
この絵を見てもらうと、黒色の線(身体機能)は年月の経過によって少しずつ低下していきます。これは健康な人でも起こる現象です。
しかしある時、心不全が急性発症(赤色の実線矢印)すると急激に身体機能は低下します。心不全が発症すると病院で治療をするために回復はしますが、よく見ると黒色の線は元の高さまでは戻っていません。さらに心不全を何度も繰り返すと黒色の線の角度が急になり、最終的には日常生活もままならないほど身体機能は低下します。
これはイメージ図であり、心不全の患者さん全員がこのような経過をたどるとは限りません。この低下のスピードが進まないようにするためには心不全を悪化させないことが肝心です。
心不全の原因
心不全はあらゆる心臓や血管の病気が原因となります。
例えば、心筋梗塞、心臓弁膜症、心筋症といった心臓の病気はイメージつきやすいかと思います。
しかしそれだけではなく、不整脈、高血圧でも心不全に陥る可能性があります。そのため、今まで入院するほどの大きな病気を発症していない人でも心不全を発症する可能性があります。
心不全のサイン
心不全の症状は大きく分けて「イエローカード」と「レッドカード」に分けられます。
まず「イエローカード」は「早めの受診」が必要な状態です。この状態であればかかりつけや近所のクリニック等に受診する必要があります。
症状としては
- 体重の急激な増加
- 足のむくみ
- 少しの動きで息切れがする
- 食欲低下 など
このような症状は「年のせいかな??」と見逃されてしまうこともあります。
次に「レッドカード」は「緊急受診」が必要な状態です。この状態は入院しないといけない可能性もあります。
症状としては
- 冷や汗が出て苦しい
- 血圧が低下しフラフラする
- 横になると息苦しい など
先ほどの絵をもう一度示しますが、この赤色の実線矢印が「レッドカード」に相当します。
そのため「レッドカード」になる前の「イエローカード」気付けるかが重要になります。
当院の心臓リハビリテーションでも、患者さんに「イエローカード」の心不全の兆候に気付いてもらう習慣付けのために毎回、リハビリ前に「運動前の健康チェック」を行っています。
この項目に該当すれば「心不全」という訳ではありませんが、このブログを読んでいる方もご自由にこの「運動前の健康チェック」を使っていただき心不全のサインが出ていないか確認してください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
これからも情報発信を行っていきますのでよろしくお願い致します。