今回は血管年齢についてです。
最近はショッピングモールなどで無料測定をやっているところも多く、一度は計ったことがある方も多いと思います。
血管年齢と聞くとわかりやすい指標に聞こえます。
では、実際に何を測って血管年齢を判定しているのでしょうか?
実は同じ血管年齢と言われても、測定方法によって測っているものが違います。
① 指先測定タイプ
無料測定でよくあるのは、指先を入れるだけで測定できるタイプの加速度脈波計です。
加速度脈波は指先の脈拍から血流のスピードを測定して、血管年齢を推定する方法です。
加速度脈波計は、人差し指を機器に入れるだけで測定でき非常に簡単なことが大きなメリットです。
測定時間も数十秒程度で終わります。
しかしながら、加速度脈波では指先の細い血管で脈を測るため、測定数値の誤差が出やすくなってしまいます。
緊張や運動、飲酒や発熱などの影響を受け、結果に誤差が生じます。
② 手足の血管測定タイプ
医療機関での血管年齢の測定で用いられるのは 血圧脈波検査です。
血圧脈波検査装置は、両手足の血圧を同時に測定します。
この検査ではCAVIとABIといった二つの値が得られます。
検査時間は、だいたい5~10分ほどで終わります。
CAVIは動脈の脈波を調べることで血管の硬さを測定します。
ABIは手足の血圧の比を調べることで動脈の詰まりを測定します。
比較的太い血管で測定しますので、加速度脈波では課題とされる測定値の誤差はあまり見られません。
また、血圧脈波検査は 多くの研究報告により動脈硬化の指標としての確かさも示されています。
脈拍や呼吸状態などが落ち着いている状態で測定すれば、いずれの検査も相関するものです。
しかし、自宅以外での測定となるとなかなか落ち着いた状態での測定はできません。
そのため、実際に両方で測定した結果を見てみると結果が異なることもあります。
無料の血管年齢測定で異常を指摘された方や、手足の冷えや痛みが気になる方はご相談ください。
また、血管年齢を悪化させる原因は高血圧、糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病や喫煙です。
これらについて適切な治療をすることで悪化を予防することができます。
悪化する前に、早めからの治療を心がけましょう。